コンサルタント就職

The Bridge to Consultant

コンサルティング業界概観


色々な分け方がありますが、まず組織的に事業を行っている会社と、個人で活動している人々がいます。
前者についてはこのサイトの対象ですから以下詳しく説明していきます。
コンサルタントはある種、先生のようなところがあります。
そういう意味では特定の業界に広いネットワークをもち、一級の技術力・経営力をもった人材は皆コンサルタントとして活躍できる可能性があります。
実際、美容院専門のコンサルタントや八百屋・コンビニ・病院等々を対象にした個人コンサルタントがたくさんいます。
クライアントも個人商店・中小企業が中心で商売上のアドヴァイスにとどまらず経営者の相談役として厚い信頼関係を築いている場合も多いです。
中小企業診断士等公的資格を持っている人も多いです。

次に皆さん関心のコンサルティング会社を分類してみます。

【戦略系コンサルティング】

アメリカやヨーロッパを拠点にワールドワイドな展開をしている会社がほとんどです。
顧客は大企業・外資系が多く、もともとはそれら企業の経営層を相手に会社の方向性など大きな意思決定に関わるテーマを扱っていました。
しかし最近はニッチやスタートアップビジネスならともかく、戦略だけですべてがうまくいく時代は過ぎ去り、IT・組織改革また業界特化などフォーカスを絞り各社差別化を試みています。

【会計事務所系コンサルティング】

一般にビッグ5といわれる会計事務所のグローバルネットワークを母体にしている会社が有名です。
顧客は中堅から大手の業務部門やIS部門が多く、システムを絡めたコンサルティングを得意としていますが、ファームによっては戦略コンサルティングやインキュベーションや、最近はITアウトソーシングなど幅広く対応しています。
プロジェクトの規模も比較的大きいものが多く、大手企業のシステムの入れ替えなどでは数百億円、のべ千人以上のコンサルタントが動員されることもあるようです。

【シンクタンク系コンサルティング】

1960年代半ば以降、証券会社や銀行などを母体にマクロ経済分析・業界分析などのリサーチを担当する機関として設立されました。
その後技術革新とともにシステム部門が取り込まれ、現在は会計事務所系やSIベンダーと激しい競合関係にあります。
クライアントは所属財閥グループ企業が中心です。
システム部門とリサーチ・コンサルティング部門では大きく仕事内容が違うので注意が必要です。

【国内独立系コンサルティング】

生産性向上や品質管理など現場レベルでの競争力増強に強みを持ちます。
研修・出版・パッケージ商品を持ち、若いコンサルタントを中心に営業に強い会社も数多くあります。
顧客は中小企業が中心なので若いコンサルタントも直接社長と話す機会も多く、中小企業診断士を取得して、将来独立を目指す人には良い経験がつめる環境です。

【人事・特化系コンサルティング】

給与計算などの人事実務のアウトソースから制度設計・意識行動改革まで、人・組織のテーマに特化した会社です。
顧客は外資系・大手日本企業がメインで、戦略的打ち手が乏しく、投資も難しい現在の景気後退場面で脚光を浴びています。
社内的にはなかなか手を入れ難い人事問題には外圧が必要なときもあります。
これまで裏方であった大手企業の人事部から人材が流れているようです。
また最近は401K導入に絡み企業年金の運用に対するコンサルティング需要も増えています。

【システム・IT系コンサルティング】

テクノロジーの発達によりシステム抜きには激しい競争に勝てないビジネス環境になりました。
これまで人がやっていたことをコンピューターに単に置き換えるのではなく、仕事のやり方自体を新たにデザインしていくMISがますます必要になっています。
前述の会計系・シンクタンク系もシステムコンサルを売りにしていますが、こちらは技術力、大規模案件、プロジェクトマネージメント力の高さを売りにしたコンサルティングを行うことが多いようです。
中には物売りの伴わない純粋な技術コンサルティングを特徴にしている会社もあります。

【ベンダー系コンサルティング】

ソフトウェア、ハードウェアの開発競争の激化・低価格化等により、メーカーやベンダーは自社製品の性能や値段だけで差別化を図ることが困難になってきました。
そのため、これら以外の付加価値として、"サービス"特にコンサルティングに今後の発展の活路を見出そうとする会社が多くなってきており、大手に限らず相当数のハードウェアベンダーやソフトウェアベンダーがコンサルティングに力を入れ始めています。
高い技術力と、コンサルファームからの人材の流入などによりかなり力をつけてきている会社もあります。

【SIPS系コンサルティング】

SIPS=Strategic Internet Professional Service

インターネットビジネスコンサルティング特化型のファームで、2000年頃特に米国において業界に旋風を巻き起こしました。
事業領域は、ネット戦略策定・ネットビジネス(プロセス)デザイン・構築です。その事業可能性と富を追い求めて、元戦略系コンサルや元会計系コンサルがどんどんこの分野に流入(参入)しました。
しかし、世界的なIT不況の影響を受け最近は淘汰の波が押し寄せ、業界の再編が進んでいます。

【IPOコンサルティング】

ベンチャー企業の株式公開を支援するコンサルティングファームです。
経営コンサル・資金調達コンサル・IRコンサルなど局面に応じて得意とする会社は違ってきます。
実際に公開準備までこぎつけると今度は、監査法人系・VC系・IR資料印刷会社のコンサルなどが公開/上場申請に必要な体制作りや書類作成のコンサルをやります。
かなり特殊な業界ですが昨今のベンチャーブームの仕掛け人たちです。