コンサルタント就職

The Bridge to Consultant

現役コンサルタントインタビュー第二弾


2002年4月に戦略系ファームに入社された高嶋氏にインタビューさせて頂きました。学生時代のお話、コンサルタントになるに至った経緯などを中心にお話頂きました。

  【プロフィール】

  高嶋 トモヤ(仮名)
  T大学卒業 T大学大学院修士課程修了
  '02年 戦略系ファームに入社

【コンサルタントになるに至った経緯】

―本日はお忙しい中、お時間頂きまして有難うございます。
気軽にお話頂ければと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

それでは早速ですが、実際にコンサルタントになってみて、就職活動中にコンサルタントに対して持たれていたイメージと違っていたところ、またはイメージとおりだったところなどありましたら、教えて下さい。

僕は特殊なのですが、学生時代インターンとして別のコンサルティングファームで働いていて、そこで初めてコンサルタントっていう仕事を知って、就職活動をしたものですから、入社する前からコンサルタントっていうものをある程度わかっていたのです。

―インターンとしてコンサルティングファームで働くことになった経緯というのはどういったものでしょうか?

就職活動中に色々な方にお話を聞いている中で、その会社の事業部長の方と出会ったのです。
その方に影響を受けてこの世界に来たという感じですね。
インターンということで働いてはいたのですが、それにしてはちょっと本格的でした。
社長が非常にいい方で実際に結構大きなプロジェクトにアサインさせてもらって、クライアントの前に出させてもらったりもしましたので。
実はその前は、ライター志望だったのです。長いスパンでは、ジャーナリストとかそちらの方向に進もうと思っていたんです。
でも色々な経験や出会いを通じて、当初の予定にない戦略系ファームに入社した、っていう感じです(笑)

―特殊なケースなのですね。
実際にコンサルタントになってみて、生活や考え方に何か変化はありましたか?
既にコンサルティングのお仕事を経験してらしたので、特にないかもしれませんが。

そうですね。学生のときは、昼は大学院、夜は会社へ行って、早い日は夜終電で帰宅、そうじゃないときは次の日の始発までやって、また学校へ、という感じでしたので生活もあまり今と変わらないですね。

―それでは、自然な流れでコンサルタントになったという感じなのですね。

そうですね。その会社で働く前までの方が結構崩れた生活していたかもしれません(笑)

―コンサルタントのお仕事で、一番面白い思うところ、逆に大変だなと思うところはありますか?

例えば調査をして、その結果に基づいて色々と反芻して、それを元にまた調査して・・・、という作業の中で、実際にどういうファクターがあってこの結果をもたらしているのかを読み取る。こういう仕事って自分の興味でもあるのですが、そこが非常に楽しくて、かつ一番大変なところだと思います。
仮説にはなかったものをまた仮説して・・・、ということの繰り返しは時には苦痛ですけども、僕自身は割と好きなので、楽しいかな。 あと敢えて言うなら手を抜けないってことですかね。常にキープし続ける、それはしんどいです。
でも上手く回り始めると楽しくなるんですけどね。

―コンサルティング業界だけでなく、他の業界もまわったのですね。

色々まわりましたよ。あまり覚えてないですけど、人事系とか出版社とか。最初はそこからスタートしたので。

―ライターになろうと思っていたところから、コンサルタントを目指すことになった経緯はどのようなものでしょうか?
コンサルタントのどの部分に惹かれたのですか?

要は、世の中にインパクトを残したい、ってことなんです。
それで、ジャーナリストになって、色んな意見を発信すれば、インパクトを与えられるかなと思っていたわけです。
ただコンサルティングってもっと直接的じゃないですか。世の中全体ではないけど、クライアントにガシっとインパクトを与えられる。
そういう面白さがあるな、っていうことを学生時代に体験できたのが大きいですね。
後からでも本を書いたり、意見発信はできますよね。それなら20代の若者が言うことよりは、もうちょっと経験積んだ人の意見の方がインパクトを与えることが出来る中で、じゃあ今だったら何できるかなって考えたときに、コンサルタントってもっと直接的にインパクトを与えることが出来るという面白さがあるし、日本においてもしかしたら一番成長できる場なんじゃないかなと思ってこっちの世界にきたというわけです。コンサルタントって色んな経験できますからね。

それから僕は理系なのですが、政治・経済、人文社会っていう文系の勉強ってすごく面白いと思ったんですよ。僕自身、学生時代、数学専攻から人間科学関係に移って、学部では実験心理学を、大学院では医学系でもうちょっとミクロなところを研究していたんです。それって、所謂研究なんですよ。そうすると人と人との仕事って全然わからないわけです。
研究がインパクトを与えるってもちろんすごくあると思うのですが、世の中で経営・経済と言われている分野で自分がどれだけの仕事ができるのか、っていうところを見てみたいという単純かつ素朴な理由からコンサルティングに興味を持ったということもあります。

―専攻を数学から実験心理学に変えるって珍しいですよね?

理系の中では全く逆ですよね。数学や物理って割と統一的な世界で、出来るだけシンプルに説明しようとしますが、生き物って逆なんですよね。
エネルギー生産方法でも水素からとりあえず始めますが、種類はたくさんあるわけです。多様性ってものが、既に存在してるわけです。
その多様性を踏まえた上で実際に奥にあるシステムがどうなっているのか、という部分を見るわけです。だから数学や物理とは出発点が違うんですね。生き物のそういった部分にすごく面白さを感じていて、今でもいいチャンスがあれば研究に戻ってやってみたいと思ったりもしますね。

【ご自身の就職活動について】

―就職活動を始めた時期はいつぐらいですか?

修士1年の夏です。どういうところに行きたいか、ということを自分なりに考えてみたり、業者がやっている適性診断のテストありますよね? そういうことを夏くらいにやり始めました。そのテストによると僕は研究者には向いてないみたいですが・・・(笑)
時期的には、会社をまわり始めたりしたのが、12月に入ってから。11月に髪黒くしました。

―コンサルティングファームのジョブには参加したのですか?

A社とかB社ってジョブやってますよね? あれは落ちました(笑)。 結構、いろんな会社の面接で落ちてるんですよね。
そう考えるとやっぱり会社との相性ってすごく大きいと思いますよ。試験で落ちるんだったら、それは問題違うかもしれないですけど、やっぱり面接までいって落ちるとなると相性が強いと思いますよ。能力的な差っていうのはそれほど感じなかったですね。

―コンサルティング業界の就職活動をするときに、情報収集っていうのはどのようになさっていたんですか?

情報収集は本だけです。あと各社のHPですね。OBに会ったりもせず。
申し訳ないのですが、movin'知ったのも就職決まってからなんですよ。
あとはコンサルティング業界の就職活動してれば、セミナー等に大体同じ人が来てますよね、そういう人たちと仲良くなっていって、話をしたりはしましたけど、意識して情報収集のためにとやっていたわけではないです。

―すごく根本的な話なのですけども、なぜコンサルタントになろうと思ったのですか?

さきほど申し上げましたとおり、一番大きな要因は価値を出したい。自分でどこまで出来るか試したいってことですかね。
最初は上から広く発信することを考えていたんですが、それをもうちょっと直接的にいってコンサルティングというものにたどり着いたという感じです。

―面接のときもそのようにお話をされたんですか?

そうですね。もしコンサルティングファームが自分の価値を出せるような場所でなくなったらそのときは、自分の会社を作るなり、転職するなりします、とも言いました。最初はライターになりたかった、っていう話もしましたしね。このインタビューみたいな感じで面接に臨みました。

―その中で、X社に決めたというのはやっぱり相性ですか?

そうですね。僕自身が学生時代のインターンをしていた会社がすごく快適だったんですよ。トップと下の差が少なくフラットな組織で。X社ってそういう会社なんですよ。それでいいなぁと思って決めたという感じですかね。だからといって別にどこのファームは全然合わなかった、とか思っているわけではないんですよ。今選ばなかったからといって、将来的にはそこに転職するかもしれませんし。ここは行きたくない!というファームは特になかったですね。

―就職活動中にこんな情報が欲しいっていうことありましたか?

僕は学生時代から、コンサルティングというものを見てきていたので、実際がどういうものなのかわかっていたのでよかったのですが、そうじゃない場合は、勘違いして入ってこられると、本人が不幸になってしまうかもしれないですよね。いい勘違いならいいのですが。
実際は泥臭いですし、華やかでもなんでもないですし、他に日本の大企業だっていい会社はいっぱいあります。コンサルティングは、新卒数年は、お金もそれほどよくないですしね。お金だったら金融とかの方が・・・。
それから、ほんとに起業したいのだったら、コンサルティングじゃなくてもいいと思うんですよ。立ち上げて失敗して、立ち上げて失敗してを繰り返していればそのうち成功できると思いますし。
コンサルになっておけば、会社作りやすいとか、給料がいいとか、社会的ステータスが高いとかっていう勘違いはしないような情報提供をすることができれば幸せですよね。

【将来の展望について】

―将来の展望についてですが、現時点で最終的には、どういう方向に進みたいと考えていらっしゃいますか?

まだこの会社で働き始めてから、半年しか経っていないので、もう少しここで働きたい、っていうのが現時点での気持ちですよね。
ただ、もっと価値を出せるなって思う場所を見つけたときには、僕はためらわずに会社作るなり、転職したりするつもりです。
よく3年目までは市場価値は低いから・・・、とかいうじゃないですか。でも市場価値なんて、色々な見方がありますよね。5年目だろうと1年目だろうと人それぞれだと思うので、そういうことにはあんまりこだわらずに好きなことをしていきたいと思います。
今はそうやって絶対これだ、っていうものが見つかったというわけではないので、コンサルタントをやりながら最終的にやりたいことを探してるって感じですかね。

―今は海外に出るということも特に考えていませんか?

そうですね。留学で学べることと、自分が日本で出来ることを色々と比較したときに、今は日本に2年間いてやれることの方が大きいかなと思っています。まあ、これは多分先入観なんですよね、実際行ってないですから。行ったら本当の事が分かるんでしょうけどね。
留学も面白そうではありますよね(笑)

―他のファームで働いている友人の方と話していて、会社のカラーの違いを感じますか?

せいぜいコンサル業界の中だけなので、他の業界と比べると少ないかもしれないですけど、やっぱりありますね。
プロジェクトも、会社によっては色々あるじゃないですか。組織の違いとかもありますし。色々あって面白いです。

―コンサルタントのお友達で集まったりすると、そうじゃない方と集まるときと比べて雰囲気違いますか?

ありますね。まず飲み会である意味疲れます。だけど、その後元気になります。
ディスカッションが盛んで、一仕事した後のような感覚になるんですよ。

―飲み会の場で真面目にディスカッションをしたりするんですか?

そう。しかも飲んでるから。率直すぎる、フランクリーもいいとこって感じです。
「これからの日本は!・・・」とか大きな声で騒いで他のお客さんからヘンに見られたりとか(笑)

―やはり、「いいたいことは3つで・・・」から始まるのですか?

そんなことないですよ(笑) 僕は、ですけど。
業界研究とかをしてきて、染まっている人はそういう言い方しますけどね。

―コンサルタントの方同士の飲み会って面白そうですね。
それでは、そろそろ時間になりましたので、本日は本当に有難うございました。