コンサルタント就職

The Bridge to Consultant

各ファームコンサルタントインタビュー

アーサー・D・リトル編


今回は戦略系コンサルティングファーム、アーサー・D・リトルの高宮氏にインタビュー致しました。新卒入社コンサルタントとして、ご自分の経験をもとに新卒入社の苦労や魅力、成長過程について詳しく話して頂きました。

  --------- 高宮氏プロフィール ----------
  キャリアパス:コンサルタント(新卒採用担当)
  大学     :東京大学経済学部卒
  入社     :2000年4月入社(3年目)

―本日はお忙しい中、お時間を作っていただき有難うございました。どうぞよろしくお願いいたします。まずは、主にどのようなプロジェクトをされているのですか?

プロセス産業(化学、エネルギー)を中心とした製造業全般の戦略構築プロジェクトに参画することが多いです。最近の例では、スペシャリティー・ケミカルのグローバルトップ企業の日本戦略立案や国内大手消費財メーカーのR&D戦略立案などがあります。ADLが、製造業全般に強く、戦略構築プロジェクトが多いので、自然にこのような形になったのかも知れません。 新卒で戦略ファームに入ると、最初は専門性では勝負できないので、多様なプロジェクトを経験することになると思います。その中で、3年目くらいから徐々に、より高い価値を出すために自分の蓄積をレバレッジすることを意識するようになり、参画するプロジェクトの種類を集中するようになるのだと思います。

―やはり、専門知識のない新卒として戦略ファームに入ると、価値を出し難いのでしょうか?

そんなことはないと思います。成長段階/個人特性に応じて価値の出し方は変わって行くとは思いますが、常に最大の価値を出すことを考える必要があると思っています。逆に、新卒だからと言って甘えていて、価値を出せないというのではプロフェッショナルとして失格だと思います。

以下、個人的な経験を述べさせて頂きたいと思います

【入社後半年】

新入社員研修が終わるとすぐにプロジェクトに参加しました。まずは、チームリーダーから仮説を与えられ、それを検証するための分析を担当しました。ある化学薬品における成功要因が流通を抑えていることであることを検証するというものでした。この段階では自分が出せる価値は、付加価値の高いファクトの収集と穴のないロジックの構築にあると考え、それらをひたすら追求しました。稀少性の高い一次データを集めるべく、消費者、流通業者、競合のインタビューを実施し、社内外のマーケティングの専門家と議論を重ねロジックを磨きあげました。自分の担当したパートを直接お客さんに報告する機会も与えられ、自分よりも二回り以上年上のお客さんに感謝されるというこの仕事の醍醐味を早くも味わうことができました。

【半年〜一年】

仮説の検証がこなせるようになってくると、仮説出しの部分から任されるようになります。例えば、新規事業として情報通信事業を提案する際に、ターゲット顧客を同定するという作業がありました。そもそもどうして情報通信事業なのか、お客さんの強みは何か、市場や競合の動向はどうなのかなどプロジェクトの全体感を掴まないとターゲットは同定できません。とは言え、全体構成を自分で考える力はまだありません。そこで、可能な限り上の人から聞き出すようにしていました。打ち合わせ以外の食事や雑談も勤めてプロジェクトメンバーとともにし、全体構成にうまくはまるようにメッセージを出すことに専心しました。小さいながらも最初から最後まで自分に任せてもらい、ADLの成果物としてお客さんに提供する喜びは甚大です。

【一年〜一年半】

一つ一つのメッセージが出せるようになってくると、今度はひとつの固まりで任されるようになります。より一層プロジェクトの全体感の把握が重要になってきます。例えば、事業計画策定の際、一事業分丸々担当することがありました。新卒としては実務経験が無く、現場感がありません。そこで、可能な限り“Side-by-Side”に持ち込むようにしました。“Side-by-Side”とは、ADLのプロジェクト実施の方法論で、常駐に近い形で客先に滞在し、お客さんとともに考え、ともに現実的な解決策を策定し、ともに実行に移すという手法です。お客さんと机を並べて仕事をし、ともに食事をし、ともに飲み(明かし?)、当該事業を展開する上でのお客さんの本当の悩みは何か、そしてそれを解決するにはどうしたら良いのかを肌で感じるようにしました。

【一年半〜二年】

やがて実務面を全面的に任されるようになります。ケースリーダーとは全体の構成/メッセージのみの大方針を合意しておくだけで、実務的にどのようにやるかは任されます。ADLでは入社二年目にしてここまでの機会が与えらます。お客さんとの日々の打ち合わせや報告会でも前面に出るようになり、その場でのキラメキで価値を出す必要が生じてきます。それまでは、ファクトとロジックをくみ上げた紙を拠り所にしていましたが、今度は紙に書いてある以上のお客さんをはっとさせる一言を言う必要が出てきます。社内資料や雑誌からネタを拾い集め、こんな時には使えるというシミュレーションをしながらストックするようにしています。石油化学業界のお客さんに対して、製薬業界の先進事例をアナロジーとして紹介するなどです。

【二年半〜三年】

アナリストからコンサルタントへプロモーションされると、いよいよプロジェクト全体のケースマネジメント(作業、時間、予算の管理を含めたプロジェクト設計)やクライアントマネジメント(プロジェクト進行上のお客さんとの折衝)に対しても積極的に貢献することが求められます。より高いマネジメント的視点から、お客さんの課題の全体像とそれを解決するプロジェクト全体のアプローチを考えるようになります。優先順位付けと意思決定が絡んできます。現在のプロジェクトでは、お客さんのCOOとの個人的信頼関係ができているため、COOとの折衝も一任されています。次のステップは、プロジェクトリーダーの役割になります。

戦略コンサルでは、このように各段階において常に新しいチャレンジが待ち構えていて、常に自分の成長を実感できます。特にADLでは、職位で杓子定規に仕事の範囲が決められていず、自分の実力次第で大きな責任と権限を与えて貰えるので、非常にエキサイティングでダイナミックな経験ができると思います。

―では、成長するにはどうしたら良いのでしょう?

基本的には、コンサルティングに必要な考え方を身をもって覚えるしかないと思います。ADLでは、新卒を育てることに力を入れていて、厚いサポート体制が組まれていました。 入社時の新入社員研修では、基本的な考え方を叩きこまれ、定期的に開催されている社内研修では、手法の最新の使い方や実際にプロジェクトで使った時の経験が共有されています。 一般的に、コンサルはドライ、周りは皆ライバルといったイメージが持たれています。しかし、何よりADLに入って驚きだったのが個人ベースのサポートが大きさです。例えば、一年目、私が夜中にハマッていると、ケースに関係ない先輩が、「煮詰まってるね。どこでハマッているの?」とお茶を持参して議論/相談の相手になってくれたりしました。本当に苦しい場面だっただけに、涙が出そうになりました。

―新卒で戦略コンサルを目指す皆さんへのメッセージをお願いします。

なぜ戦略コンサルなのかを明確にして欲しいと思います。戦略コンサルは、入社数年で非常に責任の大きな仕事をすることができますし、通常なかなかお会いすることができないハイレベルな方々と仕事をさせて頂くことができます。正直、その反面、肉体的、精神的な重圧は相当なものです。本当に苦しい時に自分を支えてくれるのは、モチベーションと信念につきると思います。さらには、戦略コンサル各社それぞれカラーがあると思いますので、なぜこの会社で働きたいのかを強く意識して欲しいと思います。

―ADLとしての2004年度の新卒採用の予定はどうなっていますか?

現在、新卒の皆様からの「採用へのエントリー」と「会社説明会へのエントリー」を同時に受け付けています。会社説明会が1/19(日)15:30〜、採用へのエントリー締切が1/22(木)となっています。Whyコンサル、Why ADLを確信して頂いた上で選考に望んでして頂きたいと思い、会社説明会は選考とは無関係に行っています。現役コンサルタントとざっくばらんに話せるフリーディスカッションも設けていますので、是非皆さんADLの雰囲気を肌で感じにいらっしゃって下さい。(エントリーはこちらから http://sv37.bestsystems.net/~davbk000/re.html  ※現在、ホームページ閲覧環境の改善のためサーバー移行中です)

―高宮さん、本日はお忙しい中お時間頂きまして本当に有難うございました。